今日も、夏です。

常夏シンガポールで送る日々の記録

ドラゴンイヤーに出生率があがるのは本当か



シンガポールに来てからはじめて知ったのですが、辰年はドラゴンイヤーと呼ばれていて、辰年に合わせて子供を産む夫婦が多いそうです。

 
シンガポール少子化という話も聞くし、実際どのくらい違うのだろう?
 
 
 
ちょっと調べてみました。
 
 
 
総出生数と合計特殊出生率のグラフ 
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出生数(棒グラフ)にぴょこんぴょこんと前後の年より突出している年がいくつか目立ちます。1988年、2000年、2012年が辰年でしたが、ちょうど重なっているようです。
 
 
 
次に民族ごとの出生率を表したグラフ
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Chinese Zodiac Dragon Yearと赤線が引かれているように、これはまさに辰年出生率の高さを示しているグラフです。
 
日本人にもなじみのある干支ですが、中華系の人にはもっと重要なことなんですね。
 
 
このグラフ、ちょっと面白いのが2000年の辰年には中華系だけでなくマレー系住民の出生率も明らかに上昇しているのです。これはもしかしてミレニアムベイビーということでしょうか?
 
 
 
 
 出典 :  "Population Trends 2015"
 
 
 

人気のない寅年

今回出生率を調べてみて初めて知ったのですが、シンガポールでは寅年の出生数が低いのです。

 

赤が辰年、黄色が寅年に色づけした出生数のグラフです。

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データ : "Population Trends 2015"

 

 2010年には首相が迷信を信じないようにと言及したほどだそうです。

出産を奨励、出生率低下で首相が危機感 | シンガポール・マレーシアのニュース | AsiaX

 
 
 
同じ現象は台湾でも起こるようで、

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寅年の落ち込みはシンガポールより顕著で、2010年には出生率が世界最低を更新したとニュースになっていました。

 

 

 

気にしない中国人

この記事では台湾、香港、シンガポールと中国の出生率を比較していますが、中国では出生率辰年、寅年の影響が全く見られないとのこと。
 

へーおもしろい


ちなみに寅年が避けられる理由としてよく見るのは日本でいう「ごうの寅」と同様の理由で女の子が強くなりすぎるとかいうのがありますが、上の記事では「権力に疑問を持ちトラブルを招きやすい」と紹介されていました。今度同僚に聞いてみよう。 
 
 

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データ : "1929年-2014年中国历年出生人口数量"

 

本当だ。関連が見られない・・・
 
 
 
記事には一人っ子政策によって干支への関心が薄れたと書いてあります。



もともと客家や福建出身の人が多いなどシンガポールと台湾は共通点がけっこうあるようなのですが、台湾とシンガポールは中国本土よりも昔の慣習が残っているように感じます。

 
同僚の中国人と中華系シンガポーリアンと中国由来の慣習について話をすると、たいていシンガポールのほうがいまだに慣習にならっているのに対し、
 
中国ではもう廃れた
 
と聞くことが多いです。
 
 

そういえば名前もわかりやすい違いです。中華系シンガポーリアンはたいてい姓1文字名前2文字の計3文字ですが、今どきの中国出身の人はたいてい姓1文字名前1文字の計2文字です。

件の同僚によると、昔は2文字が一般的だったのがある時期に1文字にするように変わったそうです。


上記の記事で触れていましたが中国では一時期古い慣習を悪しきとして積極的に捨てるような時期があったとのこと。文化大革命のことでしょうか。

そんなわけで中国由来の日本の文化に関して中国人より中華系シンガポール人との方が話が合うのかもしれません