F-1大丈夫か?
シンガポールではここ数日ヘイズがきついことになっています。ヘイズというのはインドネシアやマレーシアから風で運ばれてくる「山火事」の煙による煙害のことを言うのですが今は南風が吹く季節なので主にインドネシアはスマトラ島から煙が来ています。
今夜シンガポールでは1時間のPM2.5の濃度が一番ひどい所で340に達しました。北京かよ・・・
煙の元凶のインドネシアのスマトラ島リアウ州ではもっとひどいことになっているわけで、本日リアウ州に非常事態宣言が出されました。
実はスマトラ島だけでなくカリマンタン島(ボルネオ)でも「山火事」が起こっているようで、これからインドネシアは全力を挙げて対応するとのことですが、沈静化まで最長3週間はかかる見通しだそうです。
シンガポールは今週末F-1があるのですが。
「F-1までによくなればいいな」
という気持ちと、
「どうせなら多くの人にヘイズの問題を知ってもらったほうがいいんじゃないの」
という気持ちが交錯しております。
これまでもFacebookなどでヘイズのことをちらちら書いていますが先日も日本にいる友達に「ヘイズって何?」と聞かれたばかりですし。
ところでさっきから「山火事」と書いていますが、山火事と聞くと煙草の不始末か自然発火みたいな感じがするのは私だけでしょうか?少なくとも私はこれまで「山火事」という言葉をニュースで呼んたとき、人が泥炭層の土地を燃やしているとは連想しませんでした。泥炭層にピンとこない方はめ組の大吾を読むといいと思います。すくなくとも私は泥炭火災は怖いということを大吾から学びました(笑)。
もちろんインドネシアでも森に火をつけることは禁止されていますが、焼きはらうのが一番安く済む開墾方法なのと汚職が激しい国であるのでなかなか取り締まりができず毎年こうやって煙害を被ることになっているのです。
さてさすがにこうやってヘイズがひどくなると犯人探しが始まります。ヘイズといえばパームオイルのプランテーションが主犯格というイメージがありますが前回ヘイズが観測史上最悪になった2013年は主にパルプ、製紙系の会社(APP、APRILなど)がやり玉に挙げられました。
スマトラの森をめぐって:APP社サプライヤーと地域社会との長期化する紛争|森林保全と紙利用|WWFジャパン
しかしこの記事によると、スマトラ島での森林火災の6割は大規模なプランテーション内ではなく中小規模の農園などによって引き起こされているとのことです。カリマンタンでは7割以上だとか。そうなるとかなり厄介なのが分かる気がします。
今回初めて子供とヘイズの話をしてみました。どこからヘイズが来るのか、インドネシアの森林で何が起こっているのか。
人が火を付けていることを話すと少し動揺していましたが、「それってすごい悪いことでしょ!?」「動物たちがかわいそう。シンガポールズーでは森を焼いたりしないでしょ?」「We can ask them politely to stop it」 などと言っていました。うむ、いいこちゃんに育っているな。そろそろ「ゾウの森とポテトチップス」を読んでもよさそうです。