今日も、夏です。

常夏シンガポールで送る日々の記録

ローカル小学校へ入学申し込み



2017/06/16 ローカルママ情報追記
2016/11/11 結果について更新
 
 
 
先日、とは言ってもひと月以上前のことになりますが、ローカルの小学校に入学申し込みをしました。
 
我が家は永住者(PR)ではなく外国人枠での申し込みなため結果はまだでていませんが、ローカルの小学校に興味のある方に情報になればとまとめておきます。
 
 
 
 

1. シンガポールの入学申請プロセスを理解する

シンガポールでは小学校の入学プロセスはP1 Registrationといって母親がヤキモキする一大イベントです。
 
まず重要なことは、シンガポールには学区がないということ。このため人気校に応募が殺到する仕組みになっています。近所の学校に行けるとはかぎらないのです。
 
 
前回書いたように、シンガポール人の親は志望校をPSLEのテストの点で決める人が多く、PSLEのスコアが高い学校に入学申込みが殺到します。
定員を超えた場合は抽選などになります。 PRでない外国人はそのような人気校に入れることはまずありません。
 
 
近所の学校に行ける可能性があるかどうかはその学校がシンガポーリアンやPRに人気かどうかで決まります。
 
 
 

申請フェーズ

入学申請はフェーズ1から3まで分かれています。フェーズ1と2はシンガポーリアンとPRのみ対象です。
 
  • フェーズ1 既に兄弟が通っている(シンガポーリアンとPRのみ)
  • フェーズ2:2A,2B,2C,2Csに分かれます。(シンガポーリアンとPRのみ)
    • 2A1:親が卒業生で同窓会に入会している、もしくはその学校の顧問か経営委員である
    • 2A2:親か兄弟がその学校に通ったことがある、もしくは親が学校で働いている
    • 2B:その小学校で親が40時間のボランティアをした、学校の母体組織とコネがある、もしくは”アクティブコミュニティリーダー”である(なんだそれ)
    • 2C:一般枠
    • 2Cs:フェーズ2Cで抽選に漏れたシンガポーリアンおよびPR
  • フェーズ3:まだ決まっていないシンガポーリアン・PRおよび外国人
 
 
ここから明らかなように、外国人はシンガポーリアンとPRの振り分けが終わってからまだ定員に余裕のある学校にのみ申込みできます。
 
もちろんフェーズ3で募集枠を越えて応募があり入れないケースもあります。外国人にはローカルの学校に入れるかどうかは保証されていませんので、落ちた場合に備えて他の選択肢(つまり日本人学校かインターナショナルスクール)を検討しておく必要があります。
 
 
 
 

フェーズ内の優先順位

フェーズ1,2に話は戻ります。
 
各フェーズで定員をオーバーした場合、まずは応募者のグループ分けを行います。優先順位の高いグループから入学許可が割り当てられ、定員を超えた時点でそのグループの中で抽選となります。
 
 
同じフェーズ内では基本的に学校からの距離によって優先度が決まりますが、PRよりもシンガポーリアンが絶対的に優先されます。例えば2km圏外のシンガポーリアンと1km圏内のPRでは、2km圏外のシンガポーリアンが優先されます。
 
 
グループ分けと優先順位は以下の通り
  1. 学校から直線距離1km圏内に住むシンガポーリアン

  2. 学校から直線距離1kmから2kmに住むシンガポーリアン

  3. 学校から直線距離2km以上離れた場所に住むシンガポーリアン

  4. 学校から直線距離1km圏内に住むPR

  5. 学校から直線距離1kmから2kmに住むPR

  6. 学校から直線距離2km以上離れた場所に住むPR

 

Allocation of Places

 

 つまり、シンガポーリアンだけですでに定員を超える場合、PRにはチャンスはありません

 

 

 

 

 

 

2. 外国人でも入れそうな小学校を探す

 

 

仕組みを理解してそれでもローカルへトライしてみたければ、学校探しです。

 

 

時間に余裕があるならPRを申請するのが一番効果的です。PRなら格段に入りやすくなります。

 

ただし、前述の通り人気校の場合は永住権をとってもチャンスすらない場合があります。目当ての学校がある場合はその学校がPRでも入れそうな学校なのか、まずはちゃんと調べたほうが良いです。

 

 

 

過去の申請状況をチェックする

KiasuParentsに各校の過去の申請状況が掲載されています。P1 registrationに挑むならここのアカウントを作って見ておくのは、まあ必須です。

Singapore Primary 1 Registration School Balloting History - KiasuParents

 

 

Balloting Historyの希望するエリアを見てみてください。

 

例)

f:id:kyomonatsu:20160926002442j:plain 

TURはそのフェーズで全生徒枠の何%が埋まったかを表しています。つまり、TURが100%になった時点でその学校は満員です。

 

Phase2C(S)のTURが100%近くになっている学校はPhase3には募集がかかりませんので外国人にはチャンスはありません。特に毎年Phase2Cで100%になってしまう学校はPhase3に募集がかかることはまずないのでその学校はすっぱりあきらめましょう。

 

そうすると、近くの学校で外国人でも行けそうな学校は2,3校に限られてくると思います。年によってけっこう変動するので、Phase2の結果次第で柔軟に対応できるよう複数候補があるといいと思います。

 

 

 

 

 

PRの場合はテーブルのに注目。色つきの場合はそのフェーズで抽選があったことを示しています

 
色と模様はどのグループで抽選があったかを表します。色は学校からの距離で変わります。重要なのは、網かけなしの場合はシンガポーリアンで抽選があったということです。

 

f:id:kyomonatsu:20160926002442j:plain

この学校の場合、Phase2A(2),2B,2Cでシンガポーリアンで抽選になっています。

PRはシンガポーリアンが全て入ってまだ空きがある場合のみ入れるので、この場合Phase2A(2), 2B, 2Cで申し込んだPRは抽選することなく落ちたことになります。

 

逆に言えばこの学校にPRが入るにはPhase2A(1)以前で申請しなければまずチャンスはありません。つまりこの学校でボランティアをしても意味がない。必要なのはPhase 2A(1)で出願できるだけの強力なコネです。このような学校でボランティアして2Bで申し込み、とかするのはPRになったうまみをどぶに捨てるような行為ということになるのではないかと。

 

  

オープンハウス

小学校では7月にオープンハウスをやっている学校があります。だいたいどこの小学校のウェブサイトにもカレンダーがあり、行事を確認できます。

 

我が家も複数校オープンハウスへ行きました。どこも学芸会みたいな発表と、スクールツアーがありました。ある学校ではK2(年長)を対象にした体験型の教室があり子供も楽しんでいました。

 

 オープンハウスは学校の雰囲気を見られるいいチャンスですのでぜひ行っておきたいところです。ただ感想としては、どこもだいたい同じ感じでした。普通の小学校です。

 

 

 

予防接種記録の準備

提出書類の準備ですが、MOEのサイトにリストがあります。

Documents Required

 

出生証明などはすでにDependent Passの申請時に作っているはずなので、新たに必要なのは予防接種記録のみです。母子手帳の記録内容を日系クリニックで翻訳してもらいました。

 

念のためこちらの必要接種項目をチェックしておいた方がいいかもしれません。ポリオやMMRなんかは日本と基準が違う可能性があります(我が家の場合ポリオは日本で生ワクチン1回、来星後不活性2回打っています)。

 

 

 

Phase 3を待つ

ローカルの入学申請は7月初めからはじまります。外国人が申し込めるフェーズ3は8月下旬。クラスメイトがどんどん小学校が決まる中、ひたすらフェーズ3を待つしかありません。

 

各フェーズでKiasu Parentsに傾向の分析が載りますのではらはらしながら待ちます。

 

フェーズ2までの過去の記録はありますが、フェーズ3の情報はほぼないのが現状。フェーズ3でどのくらいの応募があるのか予測が困難です。

 

 

出願

当日は家族全員分のパスポート、EP、DP、出生証明、予防接種記録を持って出願する小学校へ行きます。

 

とくに早い者勝ちというわけでもないので我が家はゆっくりめで行きましたが、小学校についたら大行列でびびりました。結局夫が1時間以上待って申請をしてくれました。

 

夫によると、午前中の終わりの段階で申し込み者は大体募集数と同じか若干少なめだったとのこと。午後の部もあるので募集枠を超えて応募があったかは不明です。

 

ただ整理券をもらったはずなのに申し込みをしなかった(呼ばれた時にはいなかった)人がたくさんいたそうです。どうやら夫婦で複数校に分かれて行き、空いていそうなほうに出願する人たちがいるようですね。スーパーのレジの並び方と同じ感じで・・・

 

 

フェーズ3は最後のフェーズとなるため少し特殊で、MOE(教育庁)が児童の振り分けを行います。

振り分けのプロセスは不透明で、出願した学校とは別の小学校に入学許可が下りる可能性があるようです。私の知人は12km離れた学校へ入学が決まったそうで、遠すぎてスクールバスもないそうで困っていました。(最終的にはバスが見つかったそうです)

 

優先順位なども不明ですがフェーズ1,2のルールにある程度はのっとって決められる可能性が大いにあります。在星日数も加味してくれるとありがたいんだけどなァ(単なる希望)

 

 

 

結果はのんびり待つ

フェーズ2までは申請後数日で結果が出るのですが、フェーズ3の結果は8月下旬の申請で結果は11月末までにでることになっています。

 

あまりにも扱いが違うじゃないか!とつい思ってしまいますが、これはおそらく11月までにPRや市民権を取得する人のための措置ではないかと思われます。

 

のんびり待つしかありません

 

 

ローカルママの評判は参考になる

(2017/06/16)ひとつ書き忘れていたので補足します。

 

我が家はローカルの保育園に通っていたため周りはシンガポーリアンばかりでした。K2になると、よく他のママから「小学校どうするの?」と聞かれました。

 

そのとき、「一応ローカルにトライしてみるつもり。AかB」

 

と具体的に学校名をあげて答えると、不思議なことに全てのママが

 

「それならAがいいわね」

 

と言ったのです。

 

理由を聞いてみると課外活動か何かでなにか違いがあるようなのですが、我が家が両校のオープンハウスへ行った際にはそんなに違いは感じませんでした。A校の方が人気を上げようと頑張っている感じはしましたが、B校の方がのびのびしていると感じたのです。

 

例年Phase 3で同じくらいの募集枠が残っている両校でしたが、蓋を開けてみるとA校はPhase2で定員近くになりPhase3での募集はありませんでした。

 

外国人にはよくわからない違いがローカルママにはわかるのですね。ママ情報は傾向の予測に参考になると思われます。

 

 

2016/11/11 更新

今週小学校から文書が届きました。

毎日ポストをチェックしていなかったので正確にいつ届いたのかわかりませんが、11月7日から10日の間に届き、10日に入学手続きに来いというかなりタイトな内容でびっくりしました(気づいたのがその当日)。

来週はもうオリエンテーションだそうです。急に会社を抜けたり休みを取らなくてはいけなくなりましたが、ひとまず良かった。

 

ちなみにMOEからの通知がその一週間後に届きました。もう知ってるって…

 

 

おまけ:出生年に注意

辰年ドラゴンイヤー生まれの場合は例年より厳しい可能性があります。中華系の人はやはり干支を気にするようで、辰年出生率が上がると言われているためです。

 

 

左が出生数の総数(外国人含む)、右がローカル(親がシンガポール人及び永住者)です。

f:id:kyomonatsu:20160818020453p:plain

ローカルの値を見てみると、過去10年の平均36,640人に対し辰年の2012年生まれは例年より2,000人多い。出生率の下がると言われる寅年の2010年と比較するとその差は3500人に上ります。

 

3,500人と聞くと日本じゃ誤差じゃないのという感じですが、狭いシンガポールではけっこう変わってくる数字です。

 

今年は出生数の少なかった2010年寅年生まれの年にあたり、例年よりもだいぶ生徒枠に余裕があるようでした。実際数えたところ、今年はフェーズ2C(S)が終わった段階で約4700人分ほど空きがありました

 

再来年の2012年辰年生まれの年は単純計算で今年より約3,500人多い中での競争となりますので、外国人にオープンされる枠は1200人ほどになってしまいます。つまり、今年と比べると再来年の外国人枠は4分の1程度となります。

 

外国人でローカルの小学校へ入学を希望する人には今年はラッキーな年だったといえます。逆に、再来年はかなり厳しいと考えておいた方がいいです。逆に言えば今年落ちたらまあ縁がなかったとあきらめもつくってものです・・・

 

 

 

ちなみに少子化に伴い学校が定員を減らす年もあります。2017年入学からPungolを除く多くの学校で1クラス削減されました。