今日も、夏です。

常夏シンガポールで送る日々の記録

英語で中国語を習ったら



ここ3ヶ月ほど会社の有志で先生を手配して中国語のレッスンを受けていました。
 
 
受講生のほとんどが中華系の奥さんを持つ欧米人でしたが、いろいろな国籍の人が集まっているのでもちろんレッスンは英語で進められます。
 
 
この英語で中国語を学ぶという方法は、個人的には大失敗でした。
 
 
 
 

失敗理由1 : 中国語の文法が英語に似てるなんてうそだった

以前「中国語は英語に似ている」と聞いたことがあるので英語で習ってもいいかなと思ったのですが、実際レッスンを受けてみると英語に似ているなんて一度も思いませんでした
 
 
 
基本的に、日本語はSOV(主語+目的語+動詞)、中国語は英語と同じSVOです。
 
 
噂の根拠はこれだと思うのですが、逆に言えばこれだけ。
 
 
 
文が複雑になると日本語のほうが似てくる不思議
 
 
 
 
 
たとえば一番基本的なところで疑問文。
 
Who is he?  
 
を中国語に訳すのに英語でどうやって習うかと言うと、英文を一度中国語の語順に直してから単語を訳していきます。
 
Who is he?
 ↓語順を普通の文に直す
He is who ?
 ↓各単語を訳す
他 是 
 
「彼 は 誰?」
 
を直接訳した方が断然早いじゃないですか。
 
 
 
 
他にも、中国語には場所や時間が動詞より先に来るというルールがあります。
 
I get up at 7 every morning
 ↓中国語の語順に直す。
I every morning at 7 get up
↓各単語を訳す
我 毎天早上 七点 起床
 
「私は 毎朝七時に 起きます。」
 
これも日本語から訳せば語順変えるプロセスいらない。
 
 
 
 
文節。
 
Before he went, he had eaten.
 ↓ミラクルマジック
He (went before) ate
 ↓各単語を訳す
他 去 之前 吃 了
 
「彼は 行く 前に 食べ た」
 
ここまでくるともうわざわざ英文から始める理由が見つからない…
 
 
 
 
 
 

失敗理由2 : 他の受講生と引っかかる点が違う

グループレッスンならではですが、ラテン語系を母国語とする人たちと一緒に授業をうけると、みんな英語と比較して考えるのでやたらと疑問がでてくるようです。
 
この辺も日本語のほうが感覚的に似てるなと感じるところなのですが中国語は英語と違い時制が厳格な言語ではありません
 
時制がきっちりしている言語を話す人たちには自分の言いたいことをどうすれば中国語で再現できるのが非常に気になるようで質問が絶えません。
 
 
 
文法以外にも、たとえば「之前」と「以前」は両方"before"と訳せますが意味が異なります。 
 
日本人からしたら漢字を見ればなんとなく「之前は~の前てことか」とあたりがつくのであとはもう漢字の読み方さえ覚えればいいのですが、欧米人は漢字の持つニュアンスがわからないのでいちいち引っかかるのです。
 
 
そこにさかれるレッスンの時間は正直もったいないわと思いました。
 
 
 
 

失敗理由3 : 漢字がないと覚えられない

これもグループレッスンならではですが、欧米人にとって漢字は難しすぎるので眼中に無いようです。音と文法にしか興味のない欧米人に合わせるとレッスンはピンイン(ふりがなみたいなアルファベット)のみで進んでいってしまいます
 
 
こうなると逆に私にはアルファベットの羅列ばかりで覚える気が起こらない…
 
 
 
日本人には漢字を見て音を覚える作業が必要で、彼らとは学習スタイルが違いすぎるのです。
 
 
 
 

結論 : 日本語側からすり寄るべし

日本語と中国語の違いなんて英語と中国語の違いに比べたら微々たるもので、日本語との違いを覚えた方が楽
 
というのが私の感想です。
 
 
 
オフィスでレッスンが受けられたのはとても良かったけど、次はないなあ…
 
 
 
 
とはいえ、今回のコースで基本的な文法とピンインの読み方はだいたい理解できたので当初の目的は達成できたかなと思っています。
 
 
私が考えるこれからの勉強方法としては、物心ついたころから保育園で中国語を習っているうちの子供に発音を直してもらいつつ、保育園で子供が習った漢字をひとつひとつ覚えていこうかなというところです。
 
 
もともと子供の中国語の勉強をサポートできるようにと習い始めたのに結局子供に教えてもらうという…(笑)