今日も、夏です。

常夏シンガポールで送る日々の記録

どうなる高島屋オーチャード



シンガポールの銀座、オーチャードにある高島屋が大家さんともめているそうな。

ニュースによると、もともと両者は1993年に20年の契約を締結していて、その後は10年ごとの更新となっていました。賃料は5年ごとに見直しがあり、両者が納得いかなければ査定会社の査定額で賃料が決まる仕組みだったそうです。
 
2013年に2014年からの賃料の交渉があった際、大家側から今までの倍以上の賃料(1平方フィートあたり8.78シンガポールドルだったのを19.83ドルへ値上げする)と、値上げ分のコストをカバーするために占有スペースの縮小を提示された高島屋はそれを不服としたため両者は査定会社に賃料の査定をゆだねることになったそうです。
 
そして現在の賃料が査定会社によって定められました。
 
 
 
ここまでは両者の合意どおりなのですが、ここからが問題の発端。
 
大家側は査定会社にある資料を提出したそうなのですが、それが縮小計画の入ったレイアウトを含んでいて、さらにその資料を高島屋側に渡すのを「忘れた」らしいのです。
 
もともと両者は「査定会社に提出する資料は相手方に渡さなければいけない」という合意をとっていたため、高島屋側は査定会社によって決められた賃料はもともとの占有スペースに基づいたものであると主張、大家側はこの賃料は無効と主張しているようです。
 
と、ニュースを読む限りではあきらかに大家側に落ち度があるような気がしますが・・・
 
 
Facebook上のコメントを見てみると、高島屋擁護派が大半、これまでの賃料が安すぎただろという意見がちらほらという感じでした。今は一平方フィートあたり30ドルが相場という意見も。
 
 
ところで1997年といえばアジア通貨危機の始まった年で2008年はリーマンショック。2013年といえばシンガポールでは家賃高騰のピーク。5年ごとの見直しなら賃料倍増も可能性としてはありだったのかもしれません。

http://www.grec.co.jp/salon/report/sg2015.pdf

http://www.iyobank.co.jp/library/old/kokusai/pdf/singapore/singapore_2701.pdf

 

 

そういえば同じビルにあった画材屋Art Friendは2014年にNgee Ann Cityの店舗をたたんでPlaza Singapuraに移っています。もしかしたら更新時に提示された賃料が不服でよそへ移ったのかもしれませんね。

www.everythingis-art.com

 

 

実際のところ郊外住まいの我が家にとってオーチャードは人が多すぎて積極的に避ける場所になってしまいました。いまや無印良品紀伊国屋書店伊勢丹、Art Friendだって郊外に展開しているし、オーチャードへは(くまもんが伊勢丹にきた時とか)多くて年2回くらいしか行くことがないので高島屋がなくなっても全く問題なく生きていけるのです。ただあそこの大きな紀伊国屋書店はなかなか貴重なので残ってほしいなあ。でも別に大きければオーチャードでなくてもいい。