今日も、夏です。

常夏シンガポールで送る日々の記録

幸福度



シンガポーリアンってどんな人?と聞くと多くのシンガポーリアンが「Always Complain」と答えます。シンガポール言論統制が厳しいと言われているんですが、言論統制の厳しい政府と文句ばっかり言う国民・・・(笑)

 

今年建国50周年を迎えるシンガポールでは様々な催しが企画されていて、先日もポストにこんなステッカーが入っていました。

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シンガポーリアンのアイデンティティを表したもののようですが、ここにもしっかりとCOMPLAIN!が入っています。

 

常に不満を言っていると自覚しているシンガポーリアンですが、日本人の目から見るとまだまだ幸せそうに見えます。

 

2013年幸福度ランキング

シンガポール 30位

日本     43位

 

2015年幸福度ランキング

シンガポール 24位 ↑

日本     46位 ↓

 

Sustainable Development Solutions Network | World Happiness Report

 

日本の「寛容度」の小ささとか、率直になかなかいいとこついているなと思いました。

 

 

この調査報告とは全く関係ありませんが、ここからは私が感じる「ここが幸せシンガポール」をお送りします。

 

 

親切なおせっかい多し

我が家がシンガポールに来た頃はまだ小さい子供を抱えて不安でした。しかし来てみれば見ず知らずの方に何度も助けていただいたり声をかけてもらったりして社会があったかいと感じました。

 

ベビーカー下ろすんじゃ〜は通りがかりのサラリーマンがなってくれます。子供がベビーカーの手すりに突っ伏して寝ていれば(何度はがそうとしてもすぐに元に戻るので母は諦めた)、すれ違う若い女性が「危ないわよ!」と声をかけてくる。とくに違うのはおじさん。おじさんに子供好きが非常に多く、よく声をかけてきます。

 

家に帰る途中でスコールに降られていれば傘をくれる見知らぬ人達。

 

おじさんから若い女性までみんな親切なおせっかい。3、40年くらい前の日本みたいな感じなのかもねと夫婦で話したこともありました。こうも親切をされると、自分も親切を誰かに返さないとなと思います。

 

 

社会と子供やお年寄りの関係が比較的良好

先日スーパーマーケットでお年寄りにレジの順番を譲るようにと書いてある看板をみてたまげました。建国50年足らずでものすごい発展を遂げたシンガポールでは、国の発展に貢献した「パイオニア世代」と呼ばれる現在の高齢者を敬うよう政府が若い世代に呼びかけています。

 

シンガポールでは電車やバスで赤ちゃん連れやお年寄りが立っているということはかなり珍しい事態です。先日も日本から来たばかりの方が「こちらの方はちゃんと席を譲りますね」とおっしゃっていました。私も来たばかりのころまったく同じことを思いました。逆に東京に数年住んだことのあるシンガポーリアンの知人は「なんで日本人は席を譲らないのかわからない」と言っていましたね…

 

私が日本に帰ったとき電車に乗って「うわっ」と思ったのは、人が沢山乗っているのに車内が図書館のようにシーンと静まり返っていたことです。子供連れにはなかなかいたたまれない。日本に帰ると、公共の場では子供も大人の振りをしなければならないような空気を感じて緊張します。

 

ちなみにシンガポールでベビーカー論争が全くないわけではありません。以前大型のベビーカーに対する文句が新聞に載って物議をかもしたようです。

Monster prams: Popular with parents, annoying to others | The Brunei Times

日本でもありがちな、「子供が小さいうちは家にこもってろ」論もあるようですね。

A Happy Mum | Singapore Parenting Blog

 

 

 

 

知らぬが仏

シンガポールの公共交通機関に時刻表はありません。すべて「約何分おき」に運行しています。なのでバスが1,2分、いやたとえ5分10分遅れたとしても待っている人にはわかりません。いちいちイライラしなくて済みます(笑)

 

ワークライフバランス

ワークライフバランスという言葉を聞く頻度自体が日本の何倍もあります。こちらの人はハードワークは好みません。毎日残業なんてマネージャーが無能なだけという考えです。ただし盆暮れの休みもないしかなり休日の少ない国です。

 

日本人からするとときに「ぬるい」と感じることも無きにしも非ずですが、正直なところ家庭をもった今ではこれはなかなか働きやすい。日本企業に今更戻る勇気はありません。残念ながら同業他社の日本企業はのきなみ評判が悪いのが実情です。

 

シンガポールのオフィスビルの屋上に上ってみると、あら素敵な屋上庭園。

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って、こんなの簡単に飛び降りられるじゃないか!やはりまだまだ平和ですな。

 

 

若い世代のストレス

そんなシンガポールですが、だんだん日本の社会に近づいてきている感じもしています。

 

シンガポールでも自殺率が高かった時期があるそうで、自殺は殺人罪に問われます。以前は高齢者の自殺率が高かったのが現在では若者の自殺が目立つようです。

ニュースレター(機関紙) | 海外医療情報 | JOMF:一般財団法人 海外邦人医療基金

 

日本もそうですが世代によってカラーが違います。今時の若者シンガポーリアンたちは、東南アジアではナンバーワンだが先進国に対しては劣等感を隠せない、プライドと自虐のはざまに揺れている印象があります。過度な競争社会に対するストレスも感じられます。

 

シンガポール出生率は日本より低いんだとか。これは学校の勉強が大変で(というか競争が激しい)教育にお金をかけるシンガポールならではの理由があるかもしれません。シンガポール政府はその出生率の低さを移民で補っていますが、その移民の多さももはや国民の不満の対象となっています。

 

10年後のシンガポールはどうなっているんでしょう。うまいこといいところを残して行って欲しいものですが。